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第四章・19

 12月20日の金曜日、駿と楽しいひとときを過ごした伊織は、翌日の土曜日に学校を欠席した。  休日の土曜日とはいえ、補習で授業に出ていた駿は、お昼の学食で篠崎にそれを聞いた。 「そんな。だって、昨夜はあんなにお元気だったのに」 「インフルエンザらしいんだ。しばらく、欠席が続くよ」    天宮司の奴、体調管理不行き届きだ、って自分で自分を責めながら寝てるはずだ。  そんな風に笑って、篠崎は駿を安心させようとしたが、巧くはいかなかったようだ。  絶望的に青い顔をして、唇を震わせている駿。 「いや、あの。インフルは君のせいじゃないから。ね?」 「僕のせいです……」  お風呂上りに、いくらエアコンのきいている部屋とはいえ裸で2時間も。 「2時間も? 何をしてたのかい?」 「あ! いえ、何も!」  耳まで真っ赤になってしまった駿に微笑み、篠崎は声を潜めた。

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