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第四章・23
「大丈夫?」
「ごめんね、御影くん」
ホッとしたのか、涙目の小松だ。
「何か最近、僕にやたらつきまとってくるんだ」
は、と駿は気づいた。
忘れかけていたものに、気づかされた。
僕が苛められなくなったのは、伊織さまのおかげだ。
しっかりした体つき、清潔な身なり、充分な学力。
そういったものを与えてくれたのは、もちろん伊織だが、それ以上に駿が彼の従者になったことが大きいだろう。
御影のバックには、天宮司さんがついている。
それは、最強の抑止力に違いないのだ。
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