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第五章・3
高く、大きく、重い扉が開かれ、駿を乗せた車は邸宅への並木道を走る。
「どうぞ、外をご覧ください。駿さま」
「外って、ぅわあぁ~!」
暗いはずの並木道は、金色の光で煌めいていた。
眼を輝かせ、駿は光に彩られた木々を眺めた。
「すごい。すごく、綺麗」
「お気に召されましたか」
「はい」
「では、伊織さまにも、そうお伝えください」
「伊織さまに?」
インフルエンザだけど、会ってもいいってことかな!?
胸を躍らせながら自動車を降りると、そこには伊織が待っていた。
「伊織さま!」
「メリークリスマス、駿」
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