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第五章・16

 もしかして。  もしかして僕は、発情してるのか!?  医師に相談した時の言葉が、思い出された。 『うん。個人差はあるけれど、体が火照ったり、気分が昂ったりするというよ』 『あとは、無性に性欲が高まる。これが一番の目安だ』  ぶるり、と駿は震えた。  伊織さま。  あの腕の中に、抱かれたい。  激しく、熱く抱いてもらいたい。  そう考えた時、駿は下肢に違和感を覚えた。 「え。あっ……」  性器が、硬くなっている。  そして、少しだけだが頭をもたげているのだ。  まさか、本当に発情期が来たのかな!?  確かめるには、伊織の力を借りるしかない。  彼の待つ寝室へ、駿は急いだ。

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