117 / 223
第五章・19
プラネタリウムを眺め、言葉を交わす。
つないだ手が、やがて肩を抱き、腰に回される。
「駿、今夜はここに泊まって行きたまえ」
「いいんですか」
「私はインフルエンザだよ。明日になっても、水曜日の少年はやって来ない」
「伊織さまっ!」
夢中で抱きつき、頬を寄せた。
まただ。
伊織は、そんな駿からわずかな違和感を覚えた。
甘い香り。
滑らかな肌。
柔らかい髪。
それら全てが、誘いにかかってくる。
思わず、夢中でキスをしていた。
ともだちにシェアしよう!