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第五章・19

 プラネタリウムを眺め、言葉を交わす。  つないだ手が、やがて肩を抱き、腰に回される。 「駿、今夜はここに泊まって行きたまえ」 「いいんですか」 「私はインフルエンザだよ。明日になっても、水曜日の少年はやって来ない」 「伊織さまっ!」  夢中で抱きつき、頬を寄せた。  まただ。  伊織は、そんな駿からわずかな違和感を覚えた。  甘い香り。  滑らかな肌。  柔らかい髪。  それら全てが、誘いにかかってくる。  思わず、夢中でキスをしていた。

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