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第五章・30

「駿……、私の、駿ッ!」  貪るように腰を打ち付けながら、伊織もまた駆け上がりつつあった。  駿の体内は、想像以上に心地よかった。  柔襞の絡まり、腸壁の蠕動、後膣の締め付け。  どれをとっても、絶品だ。 (これほど私を狂わせる身体だったとはッ!)  発情したΩを抱いたことは、何回かある。  誰もが弾け飛ぶような快楽を、提供してきたものだ。  だが、駿はその誰とも違っていた。  無性に、愛しい。  誰かに渡すくらいなら、このまま殺してしまいたいくらいに愛おしい。 (最初は適当に遊んだ後、篠崎にお下がりでもするつもりだったのに)  もう、ダメだ。  駿が好きだ。  身体より、心を先に好きになってしまっていたのだ。

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