128 / 223
第五章・30
「駿……、私の、駿ッ!」
貪るように腰を打ち付けながら、伊織もまた駆け上がりつつあった。
駿の体内は、想像以上に心地よかった。
柔襞の絡まり、腸壁の蠕動、後膣の締め付け。
どれをとっても、絶品だ。
(これほど私を狂わせる身体だったとはッ!)
発情したΩを抱いたことは、何回かある。
誰もが弾け飛ぶような快楽を、提供してきたものだ。
だが、駿はその誰とも違っていた。
無性に、愛しい。
誰かに渡すくらいなら、このまま殺してしまいたいくらいに愛おしい。
(最初は適当に遊んだ後、篠崎にお下がりでもするつもりだったのに)
もう、ダメだ。
駿が好きだ。
身体より、心を先に好きになってしまっていたのだ。
ともだちにシェアしよう!