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第五章・32

 最後の一滴まで駿に渡した後、伊織は挿れた時と同じくらい丁寧にペニスを抜いた。  ひくひくと、まだ痙攣している蕾が可愛らしい。  そっと指先でそこを撫でた後、伊織は駿の隣に横たわった。 「素敵だったよ、駿」 「い、おり、さまぁ……」  どこか放心したような、駿の口調。  その手が縋るように空をかいたので、伊織はそっと握った。  しかし、ぽろぽろと涙を零す駿が、ふと気になった。 「内に出されるのは、嫌だったか?」  それには、首を横に振る駿だ。 「あんまり嬉しくて……」

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