136 / 223
第六章・5
生徒会役員!
これには伊織も驚いた。
しかし、今、目の前にいる少年を見て、うなずいた。
(駿はもう、出会った頃のか弱い存在ではないのだな)
「僕は、伊織さまがいなくては、何もできないんです。それは、痛いほど解ってます」
この服も、お賽銭も、楽しい今の時間さえも、伊織抜きでは手に入らないものなのだ。
だけど、と駿は唇を引き締めた。
「僕が幸せになったことで、不幸を被っている友達がクラスに居て。彼みたいな、弱い立場の人のために、何か働きたいんです」
ともだちにシェアしよう!