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第六章・7

 神社へお参りをした後は、天宮司邸へ帰った。  薫り高いお茶で体を温め、シャワーを浴びて埃を落とし、伊織は自室へ駿をいざなった。 「ついて来たまえ」 「え? でも、こっちは寝室……」  そうとも、と向き直った伊織は、やけに晴れやかな笑顔だ。 「さあ、姫初めだ!」 「えええッ!?」  まだ昼の3時だ。  こんなに明るいうちから!? 「私は今、無性に駿が欲しいんだよ」  そう言う伊織の眼差しは、色欲に眩んでいるというより、何かに縋るような光を宿している。 「じゃあ……」  駿は、さらさらと服を脱いでいった。

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