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第六章・8

 駿は、ひたすら伊織の身体にキスをした。  額、こめかみ、眼に、鼻に、顎。  喉に、左胸に、みぞおち。  肝、腎、そして、性器。  伊織の服を脱がせながら、ひとつひとつ丁寧に、駿は全身に唇を落としていった。  伊織もまた口づけを受けながら、その意味を感じていた。  駿がキスをしているところは、全て人体の急所だ。  そこに優しく触れることで、駿は絶対に私を傷つけないと誓っているのだ。  最後に、足の小指にキスをされた。  そこですっかり裸になった伊織は、駿にその礼を始めた。

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