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第六章・11

「実は、海外の学校へ行こうと思っていたんだよ」 「外国へ!?」  そんな。  そんなに遠くに行かれては、もう滅多に伊織さまに会えなくなる。  一週間離れるだけでも、胸がかきむしられるのに。  涙が、幾筋も流れた。 「そうなんだ」  伊織は、その心を見透かしたように呟き、駿の涙を拭った。 「駿と出会うまでは、こんなに深く愛するまでは、日本なんか、天宮司家なんか簡単に後にしようと考えていた」  父も健康を取り戻したし、とそこで伊織は駿を静かにベッドに横たえた。  脚を開き、秘所に指を入れる。  じっくりと解しながら、愛の言葉をささやくように悩みを駿に打ち明ける。

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