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第六章・15
あぁ、熱い。
こんなに熱い伊織さまの精が、僕の身体に染み渡る。
「う、うぅ。はぁ、はぁ、あぁぁ……」
時折小さく跳ね上がり、痙攣を続ける瞬の身体を、伊織は両腕で抱きしめた。
繋がったまま、荒い息を溶け合わせた。
いっそこのまま、駿の胎内に溶け潜ってしまいたい。
「伊織さま……」
は、と伊織は我に返った。
おそらくは、無意識に呟いたであろう駿の声。
それが、伊織を現実に引き戻した。
そうだな、駿。
君に逃げてばかりでは、いけないな。
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