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第七章・8

 改めて伊織は、駿に進学する学校の説明をした。 「歴史は比較的浅いが、優秀な指導者の揃った学校なんだ。研究の業績なども明るい」 「はい」 「各界で活躍している人間にも、ここの卒業生は多い」 「はい」 「出身校より、本人の現在の実力を重んじる校風だ」 「はい」 「リベラルで、性差別などの枷に捕らわれることもない」 「はい」 「何より、ここから車で通えるほど近い」 「はい」 「どうだ、駿にぴったりの大学だろう?」 「はい、えぇっ!?」  伊織さまの通う大学ですよ、と駿は慌てた。

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