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第七章・9
「そう。私の通う大学でもあり、駿が通うことになる大学でもある」
「それって……」
伊織は駿の鼻をつまんだ。
「駿の成績は著しく伸びている。君はまだ、1年生だ。今からしっかり頑張れば、私の後を追って入学することなど容易いものだ」
「い、伊織さま!」
駿は、出会った頃の伊織を思い出していた。
わがままで、強引で!
でも、それでいて、眩しい光で行き先を照らしてくれる。
伊織の表情は、明るかった。
迷いを捨て去り、晴れ渡った眼をしていた。
「伊織さまぁ!」
今度は、嬉し涙だ。
忙しいことだ。
「進路は選べるが、駿は選べないからね。この世でたった一人の、大切なパートナーだ」
これ以上ない、伊織の素敵な言葉だった。
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