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第七章・10
「駿、今夜の体調はどうだ? 気分は?」
「はい。大丈夫です」
そうかな、と不審そうな声の伊織だ。
「無理をしてないか? 先ほど、ひどく驚かせてしまったし」
「そ、それは」
ほら、やっぱり。
夕食の時から、少し調子が悪そうだった駿の体調とメンタルだ。
「今夜は、ゆっくり眠ることにしよう」
「僕、大丈夫です。できます、セックス!」
必死な駿に、伊織は吹き出した。
「恥じらいもなく、セックス、などと」
「ご、ごめんなさい」
いいんだ、と伊織は駿を横たえた。
「お互いが求め合った時、初めて愛の歓びは味わえるんだよ」
今夜は、大人しく寝るんだ。
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