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第八章・2

「ところで、駿。君から私に渡すものがあるだろう?」 「今ですか!?」  食事を終え、紅茶をいただいている時に速攻でねだられてしまった。  駿は傍らのバッグを引き寄せ、中から包みを取り出した。 「伊織さま、バレンタインデーのチョコレートです」 「うん!」  包装を開くと、中からは不揃いのトリュフが顔をのぞかせた。 「もしかして、手作りかな?」 「あ! でも、ちゃんと三角巾も割烹着も着ましたし! 使い捨ての手袋も着けました!」 「衛生面にまで気を付けてくれたのだな。嬉しいよ」  今度、その三角巾&割烹着姿を見せてくれ、と伊織は笑った。  きっと可愛らしいことだろう。

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