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第八章・11
「ラ・メゾンのショコラか。嬉しいね」
「伊織さま。それから、これも」
チョコの他にも、怜央はプレゼントを渡してきた。
「フレグランス。……オリエンタルノートだな。冬にぴったりだね」
嬉しいよ、と微笑む伊織に、怜央はどんどん摺り寄ってゆく。
(近い! 少しは遠慮して、土曜日の人!)
物陰でやきもきしている駿を知っていながら、伊織は怜央の髪を撫でる。
そして。
「伊織さま……」
「怜央」
また、キスしてしまったーッ!
しかも、長い!
(これって、絶対ディープキスだよね!?)
もう泣きそうな駿だ。
怜央はほどなくして出て行ったが、すぐに新手がやって来た。
「やあ、『月曜日の少年』」
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