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第九章・5

 快感の爆ぜる寸前に、伊織の手は駿から離れた。 「寒いだろう? 続きは浴槽で」 「あ……」  伊織の愛撫で、駿はかっかと熱くなっているのだが。  相変わらず、少し意地悪な伊織だ。  シャワーで泡を流し、駿は浴槽に近づいた。  腕を入れ、湯加減を確かめる。  かけ流しの湯がふんだんに注ぎ込む浴槽の湯は、ちょうどいい加減だった。 「伊織さま、どうぞ」 「うん」  伊織に続いて、駿も浴槽に入った。  二人でお風呂に入るのは、初めてだ。

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