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第九章・8
「いいから、楽になりたまえ」
伊織もまた、限界を迎えていた。
「ご、めんなさ、い! 伊織、さ、まッ! ッあ! んあぁあ!」
湯の中に、駿は精を放ってしまった。
浴場に響く自分の声を聞きながら、伊織の情愛を受け取った。
「あぁ! あ! 内に、熱いのが、いっぱいぃ!」
湯の熱とは違う温度の、伊織の精。
それを身体で受け止めて、駿は二度目のオーガズムに浸った。
「……ふぅ。大丈夫か、駿」
「伊織さまぁ……」
くたんと力の抜けた駿を抱き寄せ、伊織はそのまま肩まで湯につかった。
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