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第九章・14

 ぴちゃ、くちゅと、しばらく水音が続いた。 「伊織さま……」  はぁはぁと、駿の喘ぎが荒くなってゆく。  欲しい。  伊織さまが。  伊織さまのが、欲しい。  伊織はずっと瞼を閉じて、駿に任せるままにしておいたが、フェラチオが終わり駿が動いた気配に眼を開けた。  恐る恐る、伊織に跨る駿の姿が、そこにあった。 (可愛いね、駿。さあ、巧く出来るかな?)  先端に、温かく柔らかな肌が触れる。  何度かさまよっていたが、やがて柔襞が触れてきた。 「い、おり、さま……ッ」  駿が、ようやく伊織を捉えた。

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