193 / 223

第九章・16

 息も絶え絶えになりながら、駿は伊織を根元まで体内に埋めた。 「伊織さま、僕、重くないですか?」 「鳥のように軽い」  そこでまた、伊織は腰を突きあげた。 「ひあぁ!」  気持ち悦いだろう?  伊織の声が、甘い悪事に誘う悪魔のようだ。 「今度は、自分で動くんだ。そうすると、もっと悦くなる」 「じ、自分で!?」  少し身じろいだだけで、伊織が体内に当たって魂が抜けそうになるのだ。  これが、もっと激しくなると……。  ぶるり、と駿はひとつ震えた。  そして、ゆっくりと腰をやり始めた。

ともだちにシェアしよう!