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第九章・19

 散々駿を啼かせ、悶えさせた後で、ようやく伊織は彼の内へご褒美を渡した。 「あ、あぁ。伊織さまの……、熱い……」 「満足したかい?」  荒い息を整え、駿はベッドサイドへ手を伸ばした。  そこにはいつも、絹のハンカチが数枚用意してある。  まずは、伊織のペニスを優しく清め、次に腹に流れた自分の精を拭った。 「こんなに、いっぱい。伊織さま、本当にごめんなさい」 「これも駿の愛情表現の一つだと思っているよ」  体を拭かれながら、伊織はご機嫌だった。 「ここにおいで、駿」  伊織の横に、駿が潜り込んでくる。  その肩を、優しく抱いた。

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