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第九章・21

「全部で4個。女子から1個と、男子から3個です」 「そ、そうか」 「男子からの1個は、友チョコなんですよ。同じクラスの、小松くん」 「ああ、同じΩの」  後は、2年生から2個です。  そんな風に、駿は簡単に打ち明ける。  しかしそれを聞きながら、伊織は胸をざわめかせていた。  伊織さまとは比べ物になりませんけど、と言う駿の表情に媚はない。  全く天然の、素で伊織に貰ったチョコのことを話しているのだ。 (この私が! この感情は、一体何だ!?)  これが噂に聞く、嫉妬というものか!  

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