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第九章・22

 伊織が駿以外の人間にチョコを貰ったように、駿もまた他の人間にチョコを貰っている。    駿が伊織の従者であることは、校内の人間なら誰もが知るところだ。  それを承知の上で、駿にチョコを渡すとなると……!  何て命知らずな!  お前たちは、この天宮司 伊織に挑戦状を叩きつけようというのだな!? 「伊織さま?」 「ん? ぅん。しゅ、駿も、なかなかやるじゃないか」  それには、駿はため息をついた。 「僕には、伊織さましかいないのに。困ってるんです」 (駿! よく言った!) 「それでこそ、駿だ」    伊織は、瞬の髪を撫でた。  だがしかし。

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