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第十章・14
「伊織……さんッ」
「私のここは、もうこんなに昂っているんだよ」
伊織は、駿の双丘の谷間に硬くなったペニスを擦り付けた。
「あ、あぁ。んッあ。だ、ダメです。こんなところで……ッ」
「そうかな? 駿のものも、随分いい具合になっているようだが?」
腰を擦り付けながら、前に手をやる伊織。
彼の手は、するりと迷いなく駿の性器を掴んだ。
「い、いけません!」
拒みながらも駿の後膣は息づき、伊織の分身を呑み込もうと脈動している。
「本当に? 本当に、いけないことなんだろうか、これは」
甘く囁く伊織の口が、駿の耳を優しく食む。
「卒業祝いが、たくさん届いていたな」
天宮司家に所縁のある人間から、花や贈物、電報が山のように届いていた。
だがしかし。
「私は、駿からの卒業祝いを、まだ受け取っていないんだよ」
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