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第14話

(好き……だから)  できるだけ、どんな事にも応えたい。  ゲームをしようと言った唯人に、頷き返してしまった時にはきっともう恋に堕ちていた。それから一緒に過ごす内、彼の優しさに触れるにつれて、どんどん好きになっている。 (嬉しい)  ゲイではないと言った筈なのに、こうして暁と触れ合う唯人の思惑なんて知りようも無いが、それでも何もなくなるよりは全然いいと思っていた。だから……いつか終わりを迎えるまでは、自分から辞めるなんてしない。 (絶対……に) 『暁は、誰かとセックスしたことある?』  あの夜――余りに直裁な彼の問い掛けに正直かなり驚いたけれど、そんな経験はありはしないから暁は『無い』と、小さく答えた。 『でも、さっきの男とするつもりだったんだよね』 どこか冷たく響いた声に、青ざめ細かく震えた暁が、返事も出来ずに俯くと……唯人に強く顎を掴まれ正面から目を合わされて――。 『決めた。最初のゲームは――』 「暁、考え事? 舌が止まってる」 「んっ……ん」  不意に、唇の端を指で拭われ、正気に戻った暁は慌てて竿の裏側をペロペロと舐める。されたことは一度も無いから、これ以上どうすれば彼が気持ち悦いのかが分からなかった。 「暁が、自分がこうされたら気持ちいいな……って、思うようにしてみて」  そんな気持ちが伝わったのか、頭を撫でた唯人が優しい声音で囁きかけてくる。 (俺……が?)  自慰すら殆どしたことが無い暁だけど……呆れられるのは嫌だったから、どうにか記憶の糸をなぞって雁の括れへ舌を這わせ、口を窄めて竿全体を吸うようにして愛撫した。  それから……なるべく奥まで受け容れようと顔を埋めていくけれど、喉の手前でえずいてしまい、堪えきれずに咳込んだ。 「んぐっ……んっ」 「そう、暁はそこか気持ちいいんだ」 「ふっ、んぐ……ううっ!」  苦しんでいるのは伝わっている筈なのに、頭を掴む手は離されず、咳で震える喉を先端で何度も突かれて涙が溢れる。  歯だけは絶対立てないように口を必死に開いているから、留められない唾液が零れて床にポタポタと落ちるのが分かった。 「暁、ここも勃ってる。触って欲しい?」 「ふっ……うぐっ」  声と同時に彼の指先が乳首を掠め、見えない暁は突然の刺激に大きく身体を震わせる。視界を奪われ縛られる事で、ここまで過敏になるとは思っていなかった。

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