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第15話
「今のは気持ち悦かった」
ヒュッと息を吸い込んだのが、彼には具合が良かったらしい。労うように顎下を撫でられ、嬉しいような気持ちになる。
(気持ち、いいって)
「ん……ふっ」
更に質量を増したペニスを、懸命に口に含んでいると、右の乳首をゆっくり捏ねられ、それをキュッと摘まみ上げられて、背筋に電気が流れたような快感の波に襲われた。
「んっ……うぅっん!」
「上手だよ。今日は負けちゃうかもしれない」
僅かに掠れた低い声。ジンジンと熱を帯びた乳首を今度はゆるゆる撫でられて……腹の奥の方からジワジワ快感がわき上がってくる。
「うぅ……ん、んぐっ」
喉を塞がれ息は苦しいが、そんな事を気にする余裕は今の暁には残ってなかった。
(勝てる……かも、しれない)
僅かに見えた希望の光に縋るように、目隠しで出来た暗闇の中、必死に疲れた口を動かす。
「暁、可愛い」
「んっ、んぅっ……っ!」
先走りの苦い体液が尿道口から滲んできて、そこまで彼を感じさせた事に悦びを覚え、一旦頭を少し引いてから先端に舌を這わせた刹那――急に変化は訪れた。
「ホント、出ちゃいそう」
表情がまるで見えていないから、言葉に反した冷たい響きに、暁はビクリと動きを止める。
(こんな声、聞いたこと……ない)
「ああ、怖がらせちゃった?」
ごめんね……と続いた言葉に、勘違いかと息を吐き出すと、暁の頭を掴んでいた手に急に強い力が篭り――。
「んっ、ぐっ……んんっ!」
一気に奥まで深く穿たれ、彼の下生えに唇が触れた。刹那胃液が逆流し、大きく身体を仰け反らせるが、逃れようと足掻いた途端、強い力に押し倒されて冷たい床が背中に当たる。
「っ……ヴウッ!」
「少しだけ、我慢して」
(やめっ、くるし……)
衝撃に、歯を立てないでいられたのが奇跡のようなものだった。だけど、それを喜ぶだけの余力は、今の暁には残っていない。
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