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第36話

「気持ち悦さそう。だけど……暁はまず、我慢をちゃんと覚えないと」 「あ、やめっ……唯、い…痛いっ!」  どういう訳か、感覚がやけに敏感になってしまっていた。ペニスの根本と陰嚢を縛るバンドをギュッと絞めあげられ、暁は痛みに悶えるけれど、動ける範囲は決まっているから大した抵抗にはならない。 「我が儘言わない。こうしないと漏らしちゃう暁が悪いんだろ」 「でも、こんなのは……」 「……口、塞いで欲しい?」  あくまで口調は柔らかいけれど、唇をなぞる指の感触に、暁は一瞬息を止め……ゆるゆると首を横に振りながら「それは嫌だ」と小さく答えた。 (どうして?)  こんな事になっているのか正直理由が分からない。唯人の命じる声に従い、纏う物を脱ぎ去った暁が、誘われるまま入った部屋にはベッドと簡素な棚しか無かった。  あまり広く無いこの部屋は、リビングの奥にあるのだけれど、金属製のドアの中には窓一つ無く、コンクリート打ちっ放しの、この豪華なマンションの中で異様とも言える造りだった。 「クローゼットを改装した」と、告げた唯人は微笑んだけれど、意図が分からぬ暁はただ彼を怯えた瞳で見返しただけ。 ベッドに上がれと言われ従うと、すぐに仰向けに倒された。それから、右手首と右足首、左手首と左足首をそれぞれ道具で拘束され、最後にそれらを纏めて頭上の留め具に括り付けれて――。 「震えてる。俺が怖い?」 「唯は怖くない。けど、縛られるの……怖い」  あと、戒められたペニスも痛いし、何より全てを晒す体勢にこれまで以上の羞恥を感じる。 そう返事をしたかったけれど、口を塞がれるのは嫌だから……暁は一言そう告げただけで残りの言葉を飲み込んだ。 「ココ、こんなにしてるのに? 暁は怖いと興奮するんだ」 「いうぅっ!」  ペニスをピンと指で弾かれ、そこから生まれた強い快感に暁が体をバタるかせると、後孔にあるローターが急に振動を強め中を穿ち……涙で滲み始めた視界が突然何かに覆われた。 「あっ、あっ……見えな…や、やめっ、ゆいっ!」 「ダメ、止めない。目隠ししただけだから、そんなに怖がるなよ」  ローションを注入されて濡れそぼっているアナルの淵へ、固い物を宛がいながら、愉しそうに唯人が答える。と、次の瞬間ローターよりもかなり大きな質量を持つ物体が、狭い肉壁を抉じ開けるようにアナルの中へ捻じ込まれた。

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