37 / 188

第37話

「やぁっ……う゛うぅっ!」 「暴れるな。ちゃんとした道具だから大丈夫。それに……」 『この前のマイクよりは大きくない』 と、耳朶へ軽く歯を立てながら囁く唯人の低音に……暁の心臓が大きく脈打ち、背筋にゾワリと鳥肌が立つ。 「こっちも、可愛がってやるよ」 「んくっ……つめたっ!」  甘い声が響いた刹那、滑りを帯びた液体を……胸の尖りへ塗り付けられて、乳首が芯を持つまでそこをコリコリと指で強く揉まれた。 「あっ……ああっ!」  徐々に熱を持つ後孔と胸に、媚びたような声が出る。 「気持ち悦いんだ。暁、イきたい?」 「う…くぅっ……」 「そんな返事じゃダメ。ちゃんと言葉にしないと。そうだな……」  頷くだけの返事だけでは、楽になる事は叶わないらしく、少し考えるそぶりを見せた唯人は暁の耳元へと聞いただけで目眩がしそうな卑猥な言葉を告げてきた。 「暁がちゃんと言えたら、考えてやるよ」  さほど強い口調ではないが、これまでと違う彼の様子に暁の戸惑いは大きくなる。 「そんな……えない。唯……怒ってるなら……謝るから……」 「俺は怒ってない。暁と遊びたいだけだって言ってるだろ? でも、言えないって言うなら……言えるようにしないと」 「なっ、あっ……いぃっ!」    火照った乳首を強い力で引かれて溜まらず暁は叫ぶが、そんな反応を楽しむように喉で笑う音がした。  そして、ジンジンとした痛みと共に、痒みを帯びた尖りから……指が離れて行くと同時に、後孔を満たした異物が急に激しく動きだす。 「ひっ! や、やめっ……ゆい、ゆいっ!」  ローターを奥へ押し込む形でアナルをみっちり埋めたバイブが、ダイレクトに敏感な箇所を抉っていくのに耐え切れず……暁は唯人の名前を呼ぶが、答える声は聞こえない。  そればかりか、快楽の波に悶え苦しむ暁の耳へと、金属の重たい扉が開閉する音が響き――。 「あっ……あうぅっ! や、ゆい、ゆい!」  自分を残して出ていったのだと悟った暁は暴れるけれど、力任せに動いたところで拘束が解ける筈もなく……カチャカチャという金属音が虚しく部屋の空気を揺らした。

ともだちにシェアしよう!