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第39話

 *** 「……い……ゆいっ!」  体中が熱くて痒くて堪らない。  後孔を満たすバイブとローターの振動が腹へ直接響き、そこから生まれる快感に……暁の思考は散り散りになり、目隠しをされた暗闇の中、いつ止むかも分からぬ責め苦にただただ翻弄され続けていた。 「あっ……うぅっ」  逃れようと動けば動くほど、拘束が肌へきつく食い込み、暁は必死に唯人の名前を呼び続けるが、返事はない。  先程……扉の閉まる音が聞こえ、気配もそこでプツリと消えたから、彼が居ないのは分かっていたが、それでも暁には他に縋りつく相手なんていやしなかった。 「あっ、やぁっ……ゆい…ゆ…い」  不自由な体を揺らし、(うわ)(ごと)みたいに名前を呼ぶ。  玩具を使用されること自体は初めてではないけれど、どういう訳か、いつもよりずっと過敏になっている感覚に……慣れない体が悲鳴を上げ、自分の物とは思えないような媚びた嬌声が喉を揺らした。 「うっ、くぅっ……ん」  どうしてなのか?  なにか悪いことをしたのか?  疑問符ばかりが浮かぶけれど、今の暁にはそれを深く突き詰めるだけの余裕はない。 「……ゆい、たすけ……ゆい……あ、ああぅっ!」 「ちゃんと一人で遊べた?」 「あっ、そこ……強くしたら……あぅぅっ!」  突然、聞こえた唯人の声と同時に陰嚢をキュッと揉み込まれ、痛みとそこから生まれた愉悦に大袈裟ななくらい体が跳ねた。 「ゆい、ゆいっ、ごめん……いかないで」 「どうして謝るの? 暁は悪くないだろ」  優しく髪を撫でる掌に、縋りつくように頬を寄せる。動ける範囲は限られているが、今また彼が居なくなったらおかしくなってしまいそうだった。 「やっ、あぁっ……」 「ここ、いやらしい色になってる。触って欲しい?」 「くぅっ……ん」  ジンジンと熱を帯びた乳首へと軽く触れられ息が詰まる。 「ゆい、そこ……痒い」 「どこ?」 「むね……痒いからぁっ!」  触れるギリギリのところを指で何度か軽くなぶられて、狂いそうなじれったさに、暁はたまらず腰を揺らした。本当は、胸を前へと反らしたかったが、体勢が邪魔をする。

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