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第49話
『……どうして?』
ようやく絞り出した声は、酷く掠れて震えていたが、彼は悪びれる様子も見せずに『可愛いから』と微笑みを向け、あろう事か顔を近付けピアスにペロリと舌を這わせた。
(それ以上、何も言えなかった)
ここまでの事をされてもなお、それを彼が望むならばと思う自分も大概頭がおかしい事は分かっている。だが、心の底から嫌だとは、どうしても思えなかった。
「叔父さんと……ホテルに泊まったんだ」
「うん」
「これ、見せた?」
「見せられる……わけ、無いだろ」
「そうだね。俺以外に、見せられるわけがない」
顔を真っ赤にして答えると、唯人の声音が僅かに変わり、張り詰めていた空気が少し穏やかになったような気がする。
「勃ってきた」
「それは……唯が触るから」
見下ろす位置に唯人の端正な顔があるというこの状況に、慣れろだなんて無理な話だ。
はしたなく反応する下半身が恨めしいけれど、好きなのだから仕方がないと半ば自棄気味に暁は答えた。
「暁は、俺のことが好きでしょうがないんだろ?」
「ンッ」
ピアスを指で軽く弾かれ、ピクリとペニスが上下する。上目遣いで尋ねる彼に暁が小さく頷き返せば、まるでそれを誉めるみたいに亀頭へと舌を這わされた。
「なっ……や、唯っ、それはダメ……だ」
「どうして」
「どうしてって……唯は、こんな……汚いことしなくていい」
「暁は馬鹿だな。それを決めるのは俺、暁じゃない。それに汚いって言うけど、俺のも汚いって思って舐めてんの?」
「そんな事……ぁっ」
それは誤解だと伝えたいのに、カリの括れを軽く噛まれて言葉はあえかな喘ぎに変わった。
まさか、彼がこんな事をするとは思いもしなかったから……頭がすごく混乱して、膝がガクガクと震えだす。
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