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第53話
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「幼馴染みってどんな奴?」
「どんなって……幼馴染みって言っても、家が近所だっただけで、中学入って少ししてからは、あんまり口も聞いてない。だから、中学と高校の時は生徒会長やってて、バレー部の部長だったくらいしか……」
「ふぅん。それで、暁はソイツが好きだったんだ」
「そんなことない。唯、もう……いいだろ?」
「ダメ。ちゃんと剃らないと後で暁が痒くなる。それに、こんな事されて感じてる暁が可愛いから、止めない」
T字カミソリで器用に暁の下生えを剃り上げながら、僅かな反応を示してしまったペニスの先端部分のピアスを、唯人が摘んで上向かせる。
元々下生えは薄いから、作業に時間はかからなかったが、剃ると言われた時には流石に、暁もささやかな抵抗をした。
取り合っては貰えないと分かっていても、そこを剃られてしまっては、ピアスと併せて余計に股間が心許 なくなってしまう。
「で、幼なじみに会いたくないのはホント?」
無毛になった股間にシャワーを浴びせながら、そう尋ねてくる唯人に暁は頷くが、何故こんな事になってるのかと情けなさに胸が詰まった。
(こんなの、まるで……)
都合のいい解釈ながら、嫉妬のようだと思えてしまう。
今日も唯人に呼ばれていたから、バイト先から彼の家へとやってきた。
玄関へと入ったところで、「何かあった? 顔が青い」と尋ねられ、最初は言葉を濁したけれど、結局彼に見つめられれば言わない訳にはいかなくなり――。
「ここ、ツルツルで子供みたい。なのにこんなに卑猥な物付けて……もう、誰にも見せられないな」
「くっ……」
全裸でバスタブの縁へと座り、脚を大きく左右に開いた暁の格好とは対極に、唯人は洋服をきっちり着ていて袖だけを少し捲っている。
それだけでも恥ずかしいのに、こんな状況で反応を示す自分のぺニスが恨めしく、暁は自分を呪いたくなった。
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