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第67話

 何の前置きもないままに、ヒクリヒクリと開閉している尿道口へと細身のブジーを宛がいゆっくり挿し込めば……刹那激しく暴れ出したから、唯人はピアスを掴む手を離し暁の乳首を強く捻った。 「ぐぅっ……ん!」 「動くと怪我するよ。暁、大丈夫だから」  今度は緩く尖りを捏ね、殊更(ことさら)優しく声をかける。  少しの間そうしていると、僅かに体の緊張が解け、媚薬に侵された彼のペニスが質量を増したのが分かった。 「んっ……くぅ」  三センチ程挿入されたブジーを掴み直して進めると、顔を真っ赤に染めた暁が、命じた訳でも無いのに自ら脚をゆっくりと開きはじめる。 「いい子だ」  頬へキスをして褒めた唯人は、縋るように擦り寄って来る健気な姿を目に映し……自分だけしか頼れないよう追い詰めた暁の淫らな姿に、えもいわれぬ甘さを含んだ暗い悦びを感じていた。  *** (イきた……イきたい)  気持ちが悦くて頭がおかしくなってしまいそうだった。否、既に過ぎた快楽によって、おかしくなっているのかもしれない。 「……ふぅっ…ん」  唯人を呼ぶにも言葉は枷に封じられてしまっており、射精をするにも尿道には何かが挿し込まれている。  おまけに……雁首へと取り付けられた複数の玩具による振動が、暁の体へと寸断無く愉悦を送り続けていた。 (唯……唯っ)  時折、悪戯に胸の尖りへと触れる彼の長い指先は、優しくそこを撫でるだけで、欲しい刺激を与えてはくれない。 「んっ、う゛うっ……ん」 「腰が揺れてる。ホント、暁は可愛いよ」  無意識に脚を大きく開き、腰を揺らす自身の姿が、どれほど卑猥な物なのかすら、想像さえも出来なかった。 「んっ…くぅっ…ん」 「そろそろ着くけど……暁、ちゃんと歩けるよな」  頬を撫でられ、その掌へと夢中で頬を擦り寄せる。朦朧とした意識の中、ようやくこの地獄のような責め苦から解放されると思い、暁は心から喜んだ。だが、そんな浅はかな考えはすぐに唯人によって打ち砕かれる。

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