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第70話

「ぐっ…ふぅっ……ん」 「こっちも、欲しそうだな」  片手で口枷を取り外しながら後孔を指の腹でつつくと、咳込んだ暁の口の端から唾液が零れて頬を伝った。 「……い、ゆい…ごめん、ごめん」 「暁は、何に謝ってる?」 「あぅっ!」  とぼけてペニスに挿さるブジーをピアスと共に指で掴み、それを上下に小刻みに揺らすと、面白いくらい体が跳ねる。 「うぅ、チョーカー…外し…ごめ…なさい」 「脚、ちゃんと開けよ」 「やっ! あっ…ゆいっ…だ…めだ」  太股を擦り合わせるように悶える暁に冷たく告げ、ブジーを少し引き抜くと……呂律の回らぬ様子の彼は体を捻って逃げようとした。 「ごめ……でる、でちゃうから」 「出るって……ここに栓をしてるのに、何が出せる?」  尿道を擦られる感覚が、排泄感と良く似ているから暁は怯えているのだろうが、生憎今の彼に出せる物は隙間から滲む先走りだけだ。 「わかんな……や、あっ! でる、でるっ」  太股を掴んで左右に広げ、シーツの上へと縫い止める。と、腕は背後で縛ってあるから、隠すことの出来なくなった無毛の股間が丸見えになった。 「暁、脚を、閉じるな」  決して怒気は含ませず、一言ずつ、ゆっくりと、(たしな)めるように命じると、僅かながらに抵抗していた暁の動きがピタリと止まる。 「いい子だ」  手を離して髪を撫でても、今度は脚を閉じなかった。体を薄紅色に染め、内股をヒクヒク震わせながら、唇を噛んで耐えている。 「ここにもピアス空けようかな。そうしたらもっと遊べる」 「やっ! そこは……嫌…だ」  硬くしこった胸の尖りをクニクニと揉んでそう呟くと、気持ち悦いのか腰を上下に動かしながら、それでも必死に否の意思を唇へと乗せた。 「でも、暁の身体は期待してるみたいだ」 「ひっ、違う、してな……」 「こんなにしてるのに?」  暁の言葉を鼻で笑い、ペニスを掴んで上下に扱けば、過ぎた快感に悲鳴じみた嬌声を上げて首を振る。 「ひっ、いいっ!」 「閉じるなって言ったろ」  防御本能が働いたのか、閉じようと動いた暁の内股を平手でパシリと叩いて告げると、それにすら感じてしまった彼の陰嚢がせり上がるのが見て取れた。

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