『くっ……うぅっ……ん』 『見て。出てきた』 『な……やっ！やだ……』 　引っ掛かるような感覚の後、奥へと挿入(はい)った管をゆっくり這い上がってきた白濁は……間違いなく精液なのに、射精感がまるでない。 　用意されていた銀のトレイへと管の先端を乗せた唯人が、そこへと溜まる雫を見せながら『気持ちいい？』などと聞いてくるから、狂いそうなほどもどかしい熱に、暁は溜まらず嗚咽を漏らした。 『……よくない。唯……いきたい』 『どうやって？』 『なか、とって……出したい』 　謎かけのような質問の意味を考えるだけの余裕もない。だけど、拙い暁の哀願に彼が満足できる訳もなくーー。 『ひっ……あっ！あうっ！！』 　少し抜かれたカテーテルが、再度深くへと差し込まれ、痛みなのか快感なのかも分からなくなった暁はのたうつ。 『今度はこっち。折角綺麗に彫ったんだから、汚さないようにしないと……暁はすぐ粗相するから』 『ひっ……やぁっ！』 『工藤、抑えろ』 　無意識に……動ける範囲で暴れた体は工藤の手により縫い止められ、泣いて止めてと懇願しても、居ないかのように無視された。 『やっ……入れな……で』 『大丈夫だよ、もう届くから』 　何が大丈夫なのか分からない。 　こんなに酷い状況なのに、愉悦を感じる体が怖い。 『ほら、入った』 　どこか愉し気に響く声。 　それと同時にカテーテルが膀胱へと到達し、暁の意志とは関係無しに、黄色味を帯びた透明な液が管の先からチョロチョロと溢れ、用意されていた容器の中へと時間を掛けて流れ落ちた。 『あ……ひっ……あ゛ぁっ』 　もはや言葉も紡げぬ暁が喘ぐと、唇を深く塞がれる。 『んっ…う……うぅっ』 　口腔へと侵入してきた舌が上顎をゆっくりなぞり、チュクチュクと音を立てながら舌を絡め取るように吸いつかれ……息をするのも困難になった暁は不自由な体を揺らすが、些細な主張は完全に無視され、あろうことか……後孔へと指がピトリと触れてきた。 『ぐっ……んぅっ！』 　本人からは見えはしないけれど、昨日散々穿たれたそこはまだぼってりと腫れている。 　暁が体を強ばらせれば、宥めるように縁を撫でた指が、何か冷たい粘液を纏いツプリと中へと挿入って来た。 　そこからの記憶はかなり曖昧だが……指と道具で散々嬲られ、何度も空で達した事は覚えている。 　その間、どんなに暁が懇願しても、尿道を犯すカテーテルとブジーを抜いて貰う事は出来ず、射精も赦して貰えなかった。 　更に……口での奉仕を命じられ、夢中でペニスを舐めしゃぶる内に暁は意識を飛ばしてしまい、次に目を覚ました時には既に東京へ運ばれていてーー。