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第97話

「う……くぅっ……」 「……そんなに欲しい?」 「ほしい……ゆいの、ほしい」 「俺の……何が?」 「……せいし、いっぱい……ほし…い」  己のペニスの根本を掴み、涙を流して懇願するが、どれだけ卑猥な言葉を放っているかは最早分からない。 「教えたこと、ちゃんと覚えてたな」 「あっ……ゆい、ゆいっ」  止まった動きと優しい声音。  労うように顎をなぞられ、暁はホッと吐息を吐いた。  これは、軽井沢で抱かれた時に教え込まれた言葉だと……虚ろな頭で思い出したが、そんなことより今は唯人と繋がるほうが大切だ。 「まって……もうすぐ……」 「もういいよ。イキな」 「やっ……やだっ! ひっ!!」 『ホント、可愛くてたまらない』 と囁く声が聞こえてきたのは、願望からの幻聴だろうか?  嫌だと抵抗しようとしたが、両脚の膝の裏を掴まれて持ち上げられてしまっては……力じゃ到底及ばぬ暁にはどうすることも出来なかった。 「ひっ……あぁっ!」  一気に深い所まで落とされ、悲鳴にも似た嬌声が上がる。  そのまま下から突き上げられ、奥の方にある快楽のツボを抉られ体が痙攣した。 「あっ、はぅっ……あぁっ!」  爪先がキュッと自然に丸まり、口角からは涎が垂れ、視点もうまく定まらないほど強い快感に飲み込まれる。 「……や、いきたくないっ……くっ…いくっ!」 「いいよ、好きなだけ出して」  愉しげに喉を鳴らす音。  頭を振って抵抗するが、律動が更に激しくなり……唯人の膝上に乗せられた暁は、まるであやつり人形のようにガクガク大きく揺さぶられるが、ペニスの根元を掴む指だけは固く握って離さなかった。  ***  ソファーでの長い行為のあと、バスルームへと連れて行かれ、孔を洗うという名目で再びアナルを貫かれた。  本来、性行為には適さない場所を散々穿たれ喘いだ暁は、その間ドライで達しはしたが、射精は一度もしていない。 「ホント、暁は面白い」 「う……くぅ」 『面白くなんかない』と、返事をしたくて口を開いたが、疲弊しきった暁の口からは呻きしかもう出てこない。

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