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第98話
「……っ!」
ベッドへ連れてこられてすぐに、太腿を掴まれ開かれたから、また挿入 れられると思った暁は、息を詰めて唯人を見上げた。
「ここ、こんなに腫らせて……そんなに俺が欲しかった?」
「んっ……触る…な」
裏筋から亀頭までを指でなぞられ悶えた暁は、たまらず体を大きく捩って広いベッドをずり上がる。
根本をしっかり掴んでいても、滑り気のある透明な液は尿道口から次々溢れ、ほんの僅かな刺激があれば容易 に爆 ぜてしまいそうだった。
「もう我慢しなくていい」
『よく頑張った』と労う声に、心の底から安堵した刹那、コンドームのパッケージを破る姿が視界に入る。
「っ!」
「違うよ、これは……」
怯 んでいるのが伝わったのか、『こうするんだ』と笑った唯人に己のペニスへそれを装 けられ、刺激に体がピクピク跳ねた。
「くっ……ふぅっ」
「暁、万歳して」
仰向けにベッドの上へと横たわる暁に覆い被さり、真っ直ぐこちらを見下ろしながら、柔和 な笑みを唯人が浮かべる。
「……うぅ」
彼の命令に応えるために、指を離そうとするけれど……強ばった指を上手く動かせず、暁はゆるゆると頭を振った。
「いいよ、ゆっくりで」
触れるだけの優しいキスが、ふわりと頬へ落ちてくる。
たったそれだけの触れ合いでさえ、愛されているような気がして、涙が出そうに嬉しかった。
「あ……やっ!」
自分自身を落ち着かせようと暁は呼吸を浅くする。すると、そんな意図を知ってか知らずか、体をずらした唯人の舌が胸の尖りをべロリと舐め、そこをチュッと吸い上げながら、舌先で乳頭を突っついた。
「ゆい……やめ…て、あっ……ああ」
弱々しく懇願するが、答えてくれる言葉も無い。
更に臍まで弄ばれ、腹の奥がじわりとした淫靡な熱を持ち始める。
「あっ、あ……ん」
少しの間続いた愛撫に翻弄された暁が喘ぐと、ペニスの根本を掴んだままの指が掌で包まれた。
「やっ、ひっ……ああっ!」
刹那、ぼってりと腫れ敏感になった乳首に痛みが走るけれど、それが快感なのか苦痛なのかさえもう分からない。
怖々 視線を下ろしていくと、洗濯ばさみのような形をしたものが、自分の乳首を挟んでいたから暁は瞳を大きく開いた。
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