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第99話
「ゆい……いたいっ」
「ちょっと我慢……できるよな。全然萎えてないし」
「くっ…うぅっ」
唯人の意図は分からないけれど、暁は小さく頷きながら奥歯を強く噛みしめる。
自分の体が少しでも彼の役に立っているならば、できる限り享受したい……と、思ってしまう自分に疑問はまるで感じていなかった。
「……んぅっ」
ペニスの根本を掴む指先が、唯人によって一本ずつ、丁寧に解かれていく。
少しずつ血が巡るにつれてそこへと熱が集まってくるが、肝心な場所に触れて貰えず、もどかしさに体が震えた。
「取れた。暁、達っていいよ」
「あっ……くぅっ」
柔らかな声が降ってきたのに、何故か手首を纏めて掴まれ頭上で一つに拘束される。
「ほら」
「ああっ!」
ピンと亀頭を指で弾かれ、愉悦が背筋を駆け上がるけれど、たったそれだけの刺激で達することなど暁には不可能だった。
「……いじわる…するな」
ハアハアと息を荒くしながら、上目遣いで唯人を見たのは無意識のうちの行動だが、その瞬間……彼の双眸に鋭く淫靡な光が宿る。
「その顔、俺以外には見せるなよ」
抑揚を消した低い声。
唇は笑みを浮かべているが、底の知れない恐怖を覚え、呑まれた暁は唾を飲み込み首をゆっくりと縦に振る。
「ゆい……ごめ……いっ、ああっ!」
拒絶するような言葉を発した自分が悪いのだと思い、謝罪しようと口を開くが、途中で胸の辺りを打たれ……声は掠れた悲鳴に変わった。
「あ゛……うぅっ」
木製の道具がバチリと音を立てながら打ち払われ、初めは痛みに眩暈がしたが、少ししてから解放された乳首がジンジンと熱を持つ。
「真っ赤。苺みたい」
「あっ…そこ……やっ」
赤く腫れ、薄皮が剥けて敏感になった尖りへと、ねっとりと舌を這わされだけで、そこでは感じた事の無い強い快感が……尾てい骨から頭頂部、爪先までを突き抜けた。
「ひっ…あっ…あぅっ!」
さらに犬歯で軽く噛まれればピクッピクッと細い肢体は踊るように痙攣し、ため込んでいた白い液体が、コンドームへと吐き出される。
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