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第126話

 朦朧としながらも暁が、視線を上げてそちらを見ると、苦い表情を浮かべた樹が、ゆっくりこちらへ近づいてきて、暁の頭上で膝立ちになる。 『……ごめん』  小さな声で紡がれた言葉は、幻聴か何かだろうか? 『いっ…いつき、なにをっ!』  刹那、膝の裏側へと手が掛かり、体を二つに折り曲げるように顔の両側へ引き上げられて、無理な体勢に暁は叫んだ。  臀部が浮き、視線の前へと戒められた己のペニスがぶら下がる。 『これで良く見えるだろ』  自分の脚の間から、先程目にした道具を掴んだ男の姿が見えた時、何をされるか悟った暁は、一瞬にして蒼白になった。 『や……やだ、やめて……ください』  男が手に掴んでいるのは、点滴を吊すために使われるステンレス制のスタンドで、目盛りの入った大きな容器が既にぶら下げられている。 『暁、2リットルだ。こんなもん付けてるんだから、やったことくらいあるだろ?』  容器の底から延びたチューブの先を掴み、それでペニスのリングをつつくと、決めつけるように男は暁へと告げてきた。 『……ない…です』  男の瞳に見据えられれば、それだけ言うのが精一杯だが、それでも必死に訴えかけると、男は一層笑みを深める。  これまで……準備はいつも市販の浣腸か簡易製のエネマシリンジでやってきた。  それすら辛いと感じていたのに、こんな事が出来るはずがない。 『一度やるとハマるらしいぜ。折角だから、楽しめよ』  事も無げに告げた男が、一センチ程のチューブの先を、アナルへピトリと押し付けてから、それを中へと挿し入れてくる。 『や…やだっ…んっ……ふぅっ』 『嫌って言っても、体は随分悦んでるみたいだ。分かるか? アキのここ、誘うみたいにヒクついてる』  男が体を少しずらして、カメラマンを側に呼ぶ。  樹によって注入された液体の滑りを借りたチューブは、すんなりアナルの中へと入り、その先端が前立腺を押した途端、戒められた暁のペニスはその質量を増して震えた。

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