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第127話

『アッ……アウゥッ!』 『ココ、気持ち悦い?』 『ふっ……や、やめ……』 『アキ、まだ分かんないのか? そうじゃないだろ』 『……くうっ!』  バシリと臀部を掌で打たれ、催淫剤に侵された身体はそれを快楽へ変換する。  恐怖で青くなっていた顔に、(またた)く間に朱が差した。  射精したような愉悦に飲まれ、細かく体を痙攣させると、ペニスの先、尿道口へと触れた男が、 『叩かれて感じるなんて、淫乱な体だな。漏らしたみたいになってる』 と、(あざけ)るように告げてくる。 『前原、手ぇ離すなよ』 『……はい』  苦い物でも噛んでいるような、樹の顔が目に映る。  チューブを食む後孔が、直接的な刺激を求め、伸縮を繰り返しているのが自分自身でもはっきり分かった。 『アッ……アァ……ン』 『言えよ。お前の体は今どうなってる?』  少しずつ、奥の方へとチューブの先を進めながら、暁のペニスを縄ごと包んだ男が低く命じてくる。 (打たれるのは、もう……いやだ) 『……縛られて、おしりのあな……きもち…よく、なって……』 『ここで気持ちよくなるの、好きだろ?』 『すき……すきです』 (夢だ、これは……夢だ)  熱に浮かされて、ありえないような言葉を紡ぐ自分の姿に、とうとう心が耐えられなくなり、暁の理性が崩れていく。 (苦しい。気持ち……いい)  相反する感覚に、混乱した暁の瞳から涙が次々頬を伝った。 (樹が、こんなこと、するわけ無い。だから……) 『そろそろ入れるぞ……て、もう聞こえてねぇか』 『ひっ……やっ! あっ……アウゥ!』  ある程度までチューブが入り、ぶら下がっている容器の下部、浣腸液を塞き止めていたプラグを男が捻った途端……大量の液体が一気に腸へと流れ込み、胃がせりあがるような感覚に、暁はたまらず嘔吐する。 『ぐうっ……ヴゥッ……』 『抑えろ!』 『ヒッ……ア゛、アヴッ!』  無意識のうちに暴れたせいで、首に巻き付いた縄が締まり、意識を闇へと落としかけたが、すぐにペニスや乳首を捻られ現実へと戻された。 『や……あぁ』 『最初は10分な。アキ、口開け』 『アッ……アァ』  チューブを抜き、アナルプラグを挿し込みながら、冷酷な声で男は告げ……シャワーの水で暁の口内や、汚れた顔をすすいでいく。

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