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第132話

 もし、今これを外されたら……情けなく唯人に許しを乞い、呆れさせてしまうはずだから、これで良かったと暁は思った。 「あとは……こっちか」  散々体を咬まれた後、無造作に体を伏せに返される。  その際……骨折した左手首が衝撃を受けないよう、クッションを下に敷かれたのだが、それには全く気づけなかった。 「何回打たれた? ……って、答えられないか」 「……っ! ンッ…ヴゥッ!」  揉むように尻を掴まれた暁は、振り返ろうとするけれど……それよりも速く衝撃が襲い、たまらずシーツを爪で引っ掻く。 「痛い?」 「ンッ……グゥッ」  臀部に広がるジンとした痛みと熱に、叩かれたのだと理解した暁は何度も何度も頷いた。 (俺の……せいだ)  たとえ理由がどんな事であれ、彼を怒らせたのは自分だ。  だからなんとか振り返り、謝罪の言葉を紡ぎたいのに、弱りきった体は動かず、唯人の腕の為すがまま……翻弄される事しかできない。 「ヴゥッ!」  臍の辺りへ回された腕に立たない腰を持ち上げられ、2回目となる打擲(ちょうちゃく)が暁の臀部を容赦無しに襲った。 「叩かれて勃たせるような淫乱には、罰が必要だ。分かるだろ?」 「ぅ……ん」  今度は優しく尻を撫でられ、悦ぶように体が震える。  痛みにすら感じるような体に仕立て上げたのは、他でもない唯人なのだが、そんな疑問すら抱けないほどに彼へ想いが大きかった。 「んっ……うっ!」 「ココに……他の奴のを咥えて、何回イった?」  アナルの縁へと指を這わされ、冷えた声音で問いかけられる。  声は塞き止められているから、答える事など出来はしないのに、 「へぇ、数え切れなかったんだ」 と、勝手に話を進めた唯人が、今度は暁のペニスを掴み、絞るように扱いてきた。 「ぐっ…ぐゥっ!」 「これ、膀胱に入ってるから、もし射精したら暁のココ、壊れるかもしれないけど、誰にでも脚を開く淫乱には、ちょうどいい罰かもな」  カテーテルの挿入された尿道口へと爪を立て、先端を飾る銀のリングを指で器用に引きながら……抑揚の無い声で告げられ、暁の心はギシリと軋む。 (苦しい)  どうしようもなく悲しくなって奥歯を強く噛み締めるけれど、継続的に唯人の手から与えられる快楽に……調教された体の方が、心より先に陥落した。

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