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第14話 嗚咽。

 性癖に難があると自覚したのは高二の冬。  従兄弟の部屋で留守番を頼まれていた時に見つけた一枚のゲイのDVD。再生ボタンを押すと、男が男を組み敷き無理矢理行為に及ぶ場面を目の当たりにする。  驚きと共にその映像に異様な程興奮を覚え、ベルトを緩めジッパーを下ろし、自身の反り勃った雄に触れた。  暫くするともう一人、別の男が登場した。その男は二人の正面で胡座をかき、行為を眺めながら自慰を始める。  画面を凝視しながら、組み敷かれて快楽に喘ぐ男の顔を優磨君に挿げ替え、彼を見詰めながら自慰に耽る男を自分に置き換えた。途端に激しい情欲に駆られ、理性は吹き飛び夢中で雄を扱く。絶頂を迎え、白濁が飛び散る。  我に返り、ティッシュで汚れを拭いながら嗚咽した。  別の男に抱かれる彼を想像し興奮してしまった己に、嫌悪しかない。

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