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第15話 内に秘めた狂気。
大学生活最後の冬、優磨君がバス内で痴漢に襲われた。
席を譲ってくれた彼の鞄を膝の上に載せ、シートに腰を掛けて暫くの後、異変に気付く。
背後から男が密着し、手摺りに掴まっている彼が俺の目の前で男にズボンのファスナーを下げられ陰茎を扱かれた。手の平で口元を覆うも、指の間から甘い吐息が漏れる。
彼は見知らぬ男に触れられ、感じていたのだ。
気を良くした男は、密孔に指を滑り込ませた。彼の背が仰け反る。指を入れられたのだと気付く。
俺は、彼を助けるどころか、自身の硬くなった雄を彼の鞄で隠す事しか出来なかった。
一週間後、彼は又痴漢に襲われた。先週のリーマン男では無い。恐らく俺達と同年代。
今度は密孔に指を入れるだけでは終わらず、男は雄をねじ込んだ。涙目になりながらも、彼は男を誘うように腰を揺らす。
彼と視線が絡まる。
頬を紅く染め、淫らな表情浮かべる彼から目が離せない。淫靡な露が下肢を伝う。
堪らず彼の手を引き、アパートへと連れ込んだ。
窓の隙間から入り込んだ冷気が、行為に耽った後の汗と白液塗れの肌に纏わりついた。
壊れかけのヒーターがカタカタと音を立て、室内を暖めている。
「真咲君…俺と…どうなりたい?」
乱れた息を整えながら、俺の胸元に彼が頬を擦り寄せてくる。
「分からない…」
それ以外に何て言えば良い?
身体をまさぐるられている彼を見て股間が熱くなった。助ける振りして、慰めを言い訳にして、ベッドの上で震える君の秘部内から見知らぬ男の白液を掻き出し、舐め取る行為に歓喜した。
乳首を跡が残る程強く噛み、舐めしだく。
脚を大きく割開き、濡れそぼった陰茎を根元まで咥え蜜を吸い嚥下すると、下肢がびくびくと震えた。彼の痴態に気が狂いそうになる。
涎を垂らしながら、上書きするとばかりに彼の蜜蕾へ幾度も雄を打ち付けた。
変わったのは容姿だけ。
俺は相も変わらず醜い。
君を愛しているなんて言える訳が無い。
内に秘めた己の狂気をユウマ君に悟られてはいけない…
彼に嫌われたら、生きていけない…
俺は彼から逃げた。
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