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第6話

 晃成の大きなてのひらでしなやかな背中をなぞると、しっかりとしがみついてくる。頭を抱え込み、深い口づけを交わしあうと二人の間を銀色の糸が伝った。  雪華は気持ちのいいことが大好きだ。人間のように欲望を隠さない。何度もキスを繰り返しながら誘導され、先へと続く行為にいつの間にか夢中になってしまう。  雪華の滑らかな肌を味わって密かに咲く場所を愛すると気持ちよさそうに身をよじった。 「上手になったな、晃成……」  程よく筋肉のついた長い脚を開き、濡れて存在を訴える茎を愛撫する。ささやかな蕾はいつ触れても初めてのように恥じらい、晃成を待ちわびていた。 「あ……そこ……」  晃成の太い指をいくつか飲み込んで開いていく雪華の身体は体温がひとよりかなり低いのに、こうしている間だけ火照るように上昇する。グプグプといやらしい音を立てて誘い込む罠に晃成は身を捧げた。それは神に差し出す生贄のようで、恍惚とした喜びを与えてくれる。  太くたくましい雄を差し込む時だけ一瞬苦しそうに眉を寄せる雪華をゆっくりと拓いていく。前後の動きを繰り返しスムーズに動きだすと雪華からは快楽を享受する声が漏れ聞こえてくる。 「あ、あ……っ、いい、」  しめつけられ飲み込まれそうな欲望をなんとかコントロールしようと試みる。だけどいつだって負けるのは目に見えていて、最後は遠くに連れ去られ強烈な放出に身をやつした。  くたくたになるまで抱き合っていると雪華は少しだけ若返っていくような気がする。  反対に晃成はというと指一本動かすのさえしんどい。確かに何ラウンドか挑んだし、酷使した腰は疲労を訴えている。それにしても、と布団に丸まった。  元気な雪華はベッドから抜け出し、冷蔵庫をゴソゴソと漁っている。ビールを両手に持って戻ってくると景気のいい音を立てて缶を開け、ゴクゴクと喉を鳴らした。「うまいっ!」と唸る。 「セックスのあとのビールは最高!」  身もふたもないセリフに顔を赤くするのは晃成の方だ。いくらなんでも明け透けすぎないかと頭を抱えた。

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