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凸凹
「そんなに畏まらずフランクでよろしいのでございますよ。タメ口と呼び捨てが心地よいのでございます」
「えっ、でも……」
今まで敬語でしか話したことがないから、躊躇する僕。
「じゃあ、まひるにいちゃんっていうてみ?」
相変わらずお腹をペロペロ舐めている真昼さんは軽く言う。
「あひるにいちゃん」
軽く噛んだ僕にだれがあひるやねんと言って、完成度が高いあひるのモノマネをする真昼さん。
「3文字+にいちゃんは上手く言えへんねや……せやからよびすてな?」
大人の笑みを浮かべた真昼はまたペチャペチャと舐め始めた。
「グワークワッ、クエー!」
「対抗すんなや」
夜彦さんのモノマネに冷たく突っ込むものの、クククッと喉を震わせて笑った。
「わたくしは蔑まれたいのでございます」
また夜彦さんの方を見ると、頬をテカテカと光らせて笑っていた。
「あなたに虐げられたら興奮いたします」
うふふと笑う夜彦に僕はクセが強いと思ったんだ。
昼、夕、夜……あとは朝。
「もしかして、兄弟ってこと?」
恐る恐る夜彦に尋ねると、賢いですねとまた微笑みかけてきた。
「わたくしが長男、ひるが次男でございます。三男はあなたを助けたようちゃんでございますよ」
ようちゃん……彼が三男か。
結構大人に見えたんだけど、この2人より若いんだ。
「目の前のチビちゃんより、ようちゃんは若いのでございます」
少しハスキーな声で毒づいた夜彦はおほほと口元を押さえて笑う。
「だまれ、ございますやろう!」
ドスの効いた声が聞こえて顔を戻すと、歯を強く噛み締めてガルルと唸る真昼。
お願いだから、僕を挟んでケンカしないで。
睨み合う2人にどう声をかけたらいいんだろうと考えていたら、ガチャとドアが開いた。
「ヤーにぃ、マーにぃ、ご飯……」
気の抜けた低い声と共にピンクの髪の男性がドアからひょっこりと現れる。
虚ろな瞳が大きく見開いて、部屋へと勢いよく入ってきた。
「ちょ、ちょっと! なに2人で味わってんの!?」
俺の大事なゆーたんなんだからと僕をひょいと引き寄せて、真昼と夜彦から離す彼。
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