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家族団欒

 「海王星なんてどう? 若いんだから青は映えると思うわ」 「それでいうなら水星やろ。銀色の髪は目立つし」 「おじいさんみたいじゃないの」 「まぁ、そうも見えるか」 ポンポンと弾む会話にいいなと思う僕。 両親の仲がいいと、子どもも自由だから。 「きんせい、いいんじゃない? かみがきらきらしたらせいかくもあかるくなるかも」 「それなら、月もよろしいかと。わたくしらを静かに見守るという意味と太陽と対になるかと思うのでございます」 マットをよく見ると、様々な色の球体が赤い球体を中心にして散らばっていた。 これが宇宙なんだ。 中心にあるのが太陽 その隣にある銀色が水星 その隣の金色が金星 その隣の青と緑が地球 その2つ隣のオレンジ色が木星 その2つ隣の緑色が天王星 その隣の青色が海王星 確かに水金地火木土天海だ。 そして、反対側に輝いているのが月なんだ。  「……楽しいね」 ボソッと呟いたようちゃんにうんと小さく言って返した。 僕は朝日家の四男だから……彼らに見合うならどうなってもいい。 もしかしたら、全然違う自分になるのかもしれない。 そうなったとしても、全然怖くないんだ。 なぜなら、それは朝日夕馬になった証拠だから。  『お前は御前家の恥だ。生きている価値もない』 父と兄たちにそう言われ、殴られるか蹴られるかして身体がボロボロになる毎日。 朝が来るのが怖くて怖くて仕方がなかったんだ。 それにこんなに家族みんなが笑顔で楽しそうに会話をしているなんて光景は見たことがなかった。 これが家族団欒なんだ。 これが……僕の本当の家族なんだ。 あとは血が繋がってたらいいのに、なんて欲張る僕。 人間の僕ならではの悪い癖……でも、不思議と悪くなかった。  チクッ 首の後ろに痛みが走って、身体が少し跳ねた。 「大丈夫……きっと気に入ると思うよ」 お馴染みになってきたその言葉を信じることにして、僕は美味しいご飯を食べ進めることにしたんだ。

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