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ムチムチ
朝日家の一員、そして文潟の住人になった僕の1日はとても豊かで楽しい。
だからあの日から半月しか経っていないなんて信じられないんだ。
"今日信じてるものを 明日も信じていられたら"
意識が浮上してきて、透き通るような天使の歌声が聞こえてきたら、もう朝なんだとわかる。
「黄金色に映える君の髪を見た僕の心は業火の炎で焼き尽くされそうなのでございます」
それと難しそうな表現をするすると語るのを聞いて、今日も楽しくなるなと感じるんだ。
「さらりと撫でると君の愛の粒がほろほろと落ちてきて僕に降りかかるのでございます。もったいないと思う僕は君を包むのでございます」
その後、ムチムチの身体に包まれるから、僕の身体はほかほかと温かくなった。
放っておくと長くなるから、パチっと目を覚ます。
「おはようございます、愛しい夕馬……今日も見目麗しいでございますね」
二重のつり目が細められ、小高く盛り上がった頬をほんのり赤らめた夜彦の顔が僕の視界全部を覆う。
「今日も小説の一節、素敵だったよ?」
「君を見ているだけで溢れ出てくるのでございます」
満足した夜彦は右頬と左頬にキスを落として、僕を胸に抱え込む。
裸だからぷにぷにの胸とお腹に直に触れて、ほかほかの温かさにまた眠りそうになる。
僕はなんか反抗したくなって手探りで乳首に辿り着き、ピンっと跳ねた。
「アアッ……」
掠れた高い声を出す夜彦にやっぱΩなんだなって納得して、面白くなってきた。
乳首の形を確かめるように柔らかく摘む。
「やっ、アッ……もぉ」
気持ち良い声を出す夜彦に僕は意地悪になる。
「舐めてほしい?」
「よろしい、ので……すか?」
「ちゃんとどこをどういう風にって言ってくれたらね」
僕がニヒッと笑うと、夜彦は目を潤ませるものの、唇をキュッと結んでしまった。
「いうようになったなぁ、ゆうちょ……でもまだまだあまちょろいわ 」
「ハアッ、アアアッ!」
長くて太いヘビのようなものが夜彦の背中をするりするりと撫でるから、夜彦の表情は恍惚へと変わっていく。
「でもええわぁ、もっとやりぃ」
クククッと意地悪な笑い声が聞こえてきたから僕は顔を上げた。
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