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意地悪は兄弟共通
最初に見えたのは真昼の性器でイルカのちんちんへと変幻させたものらしく、真昼の股の間でうねうねとしている。
さっき夜彦の背中を撫でたのはそれなんだ。
次に見えたのは6つに割れた腹筋。
そして、白いキャンバスを持った腕の筋肉はラクダのこぶのように盛り上がっていた。
最後に見えたのは大きい前歯を見せて笑う黒縁メガネを掛けた大人と子どもの間みたいな顔。
真昼もいつも何故か裸なんだ。
「てとりあしとり、ぼくぅがおしえたろか? けっこうてくにしゃんやで?」
ニヤッと笑った真昼が顔を近づけてくる。
あと数センチで……ってところでドアが開くのもいつも通り。
「ゆーたん、ごは〜ん! ってああっ!」
ドカドカと部屋に入ってきて2人の頭を叩くようちゃん。
「ダメって言ってるでしょ!」
「ぼくぅ、なにもしてへんし……まだぁ」
「わたくしもですよ」
3人がやんややんやと騒ぐのもいつも通り。
このひと時で僕の朝が始まるんだ。
下に降りるまでも相変わらず賑やか。
「ゆうちょ、ことばぜめしようとしてたで」
「乳首の触り方も上手くなってきましたよ」
満足そうに話す真昼と夜彦。
「僕は、僕はね……普通に、本当に普通にしてるだけなんだよ?」
何も無いよと弁解する僕。
ようちゃんはそれを聞いて微笑んでいるけど。
「俺はそのままでいいと思うよ」
言葉も悪くはないんだけどね。
「さっ、温かいの食べさせたいから先行くね」
明るく言って握る手は力強いし、ずんずんと引っ張られてしまう僕。
そして、2人きりになってから耳元で小さく囁くんだ。
「エロくなるのは俺の前だけにして……妬いちゃうから」
僕の心臓をバクバクさせてから、耳殻を食むようちゃんにもう敵うわけがない。
「ぁ……ンハぁ」
後ろの2人に聞こえないように喘ぐと、ふふふと笑うようちゃん。
「こんなんで感じちゃうんだ……毎日特訓してる成果が出てるね」
甘く低い声で言いながら首の後ろに触れるから、身体が気持ちよさでビリビリ痺れる。
「ちゃんと歩かないなら、お姫様だっこしてあげてもいいよ」
ようちゃんがニヒッと笑うから、僕は頑張って腰に力を入れた。
やっぱり兄弟、意地悪なのは共通なんだ。
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