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オーロラ
そろそろ、オーロラが見れるようになるんだって。
僕の今わかる知識では虹のようなもので色鮮やかな綺麗なものだってことぐらいかな。
それをトトとカカが観測するから、4人で観に来ないかってトトから言われた。
そして、夕馬は初めてなんだから、お兄ちゃんたちにおめかししてもらいなさいってカカから言われた。
今のところでは半月後だって言われたら楽しみになってきた僕は繋いだ手をぶんぶん振るんだ。
でも、その手の相手が口ずさむのは失恋の歌。
"私よりもっと孤独な誰かが あなたの帰り待ってるわ"
暗い声色なのに軽く伸びる歌声の先を見ると、兄弟で一番高い頬をテカテカさせた夜彦の横顔が見えた。
朝ごはんの後、それぞれ自分の好きなことを習いにいくんだ。
夜彦は小説、真昼は美術、ようちゃんは写真。
僕はまず知識を増やそうということで勉強することになった。
僕と夜彦の場所が同じだから、一緒に向かっている。
新人気鋭の小説家の志朗 さんが兄、文潟一番の物知りで勉強家の万生 くんが弟の夕凪 家がその場所。
万生くんは僕と同じ15歳で僕と同じ金髪なのに、僕よりずっと、ずうっとすごい人なんだ。
ようちゃんは付き合いたて、真昼はラブラブ、夜彦は破局の歌を歌うからわかったんだ。
出会いがあれば、別れがあるって。
だから、誰でも付き合ったことも別れたこともあるよね?
「夜彦は今まで付き合った人って何人くらいなの?」
「付き合ったといえるかはわかりませんが、交わったことは数えきれないほどでございます」
なんせΩでございますからと言ってため息を吐く夜彦。
Ωのヒートはαもβも関係なく惹き付けるというのは教えてもらった。
だから、ヒートが来たら1週間は引きこもるのだとも。
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