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「た、汰紀?」  呼んだ声が震える。 「弱らせてからって思ってたんだけどさ」  にや と笑う汰紀がのし掛かった。  掌が脇腹に落ち、はっと息を詰める。  ゆるりと、動き出す。  鎖骨を撫で、縛られた腕を掻い潜るように胸の尖りに触れた。  肌寒さに立ち上がっていたそこに熱い掌が触れ、思わず飛び上がった。 「な、何す……」 「愛撫」  簡潔に答えて指先のこりこりとした紅い実をこねくる。 「止めろっ、気色の悪い…っ何がしたいんだっ!?」  身を捩り、汰紀の手から胸を隠そうとしたため、汰紀はそれを赦すまいとぐい と首のロープを引いた。 「あぅっ!!」 「あんまり逃げると、連絡しちゃうよ?彼女何カップ?一度に何人相手出来る?」  締まった首に顔をしかめながらも侑紀は汰紀を睨み付けた。 「そんなにオレがキライかっ!?こんな嫌がらせしなくとも、今までみたいに離れて暮らせば良いだろ!?」 「あぁ、その話、終わってなかったよね?」  ぐっと上から侑紀の頭を押さえ付け、その耳元に口を寄せる。 「壊したいんだよ」  柔らかに耳を擽った言葉が直ぐに理解できず、侑紀は何度か瞬きをして言葉を理解しようとした。 「兄貴の事、壊したくて壊したくて仕方ないの」 「は…ぁ? あっ!!」  不意にぎゅっと乳首を掴まれ、痛みに声が上がった。  体重を掛けてのし掛かり、痛みに喚く侑紀を見下ろして笑う。 「いっ…!んなトコ触ったって、男が感じるかよっ!!」 「へぇ?じゃあ試してみようよ。感じたら俺の勝ち、感じなかったら兄貴の勝ち」 「そ、…んな賭けっ…意味ねぇだろ!!」  弟の指先で苛まれているソコが熱を含み始めた様な気がして、侑紀は慌てて首を振る。 「どうして?負けるって、分かってるから?」 「はぁ!?ふざけんなよ!っ」  そう怒鳴り付け、無遠慮に胸を這い回っていた手を振り払った。

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